【工事事例】淡路産段付飛鳥野瓦を使用して、お寺の瓦屋根を軽量化。土葺きから空葺きへ。

はじめまして、ブログ初投稿の渡邊浩二です。

投稿をしようと、思いましたのは、平野区の某寺院から、ぜひとも瓦寅で本堂屋根の葺き替えをしてほしい、との依頼を受けてお寺との直接契約で工事を行い、4か月間の工事が完了まじかになり、瓦寅ではこんな物件もリフォーム出来ますよ、と読者の皆様にお知らせしたかったからです。

着工前の屋根の状態

ビフォー
ビフォー

着工前の状態は、軒先は垂下がり、漏水により平部や棟が波打ち、どこからでも雨漏りがする状況でした。この御本堂は2~3年まえに雨漏りの応急処置をしていたのですが、その時から葺き替えを行わないと漏水を留める事は出来ない状況でした。

棟付近を拡大すると、瓦のズレや棟の波打ちがひどい事が分かります。これでは、応急処置で漏水を完全に留める事は不可能です。

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棟際は丸瓦がズレて口が空いています

 

足場を組んで、瓦を捲ってみると、野地板はこんな状態でした。

野地状態
野地板は雨漏れにより劣化が激しかった

 

段付飛鳥野瓦を使用することで重量を軽減させました

段付飛鳥野瓦
飛鳥野瓦は葺き土を使用しないので屋根が軽くなる

野地板だけでは不陸調整が不十分であったので、瓦を引掛ける桟木を取り付ける時に糸を張って再度不陸調整を行いました。使用しました瓦は弊社オリジナルの段付飛鳥野瓦(淡路産)。従来の本葺き瓦は平瓦と丸瓦を組み合わせ土で葺いて有りますが、飛鳥野瓦は平瓦2枚と丸瓦1枚を一体化し土を使わずに釘打ちで葺くので見た目を変えずに軽くすることができます。葺き替える前と比べ屋根荷重が約30t軽くなりました。

<平部、本葺き瓦122㎏/㎡が段付飛鳥野瓦58㎏/㎡になり、葺き土40㎏/㎡が無くなり、屋根面積が286㎡ですので(122+40-58)x286≒30t>

建物の骨組自体は改修していませんが、柱に係る負担の軽減となっています。

 

お寺の大棟は直線では無く、両側の鬼に向かって反り上っている事をご存知でしょうか、お寺に行く事が御座いましたら屋根を見上げて観てください。棟が反っている事が分かります。滑らかな曲線を出す為に、熨斗瓦1段毎にクサビを用いて棟を作ります。写真を見るときれいに曲線を作っていることが分かります。

棟積み
葺き土が固まるまでのし瓦1枚1枚にクサビを打ちます

 

反り
お寺の棟は直線ではなく両端を高くする(反りをつける)

 

生まれ変わった御本堂

アフター
アフター

とても綺麗に葺きあがりました。屋根は建物をまもる一番大切な部位です。予算的に大きな工事が出来ない場合でも、このように屋根を綺麗にすることで御本堂を長持ちさせることができます。

また土葺きから空葺きにすることで、屋根を軽くすることが出来、全数釘留めなので台風で飛ばされたり、地震でズレ落ちる心配がなくなります。

屋根でお困りがございましたら、弊社へ一度ご相談下さい。

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ご覧の通り若くは有りません、弊社では2番目の古参です 大阪は阿倍野区で誕生し、生野区で育った生粋の大阪人です。このブログの管理人同様に、生野の学習院とよばれた林寺小学校に通い、生野中学、生野高校と進学しました、 ここまでは、兄である弊社の渡邊社長と同じ道を歩んだのですが、兄は大阪大学へ、私は勉強嫌いが災いして関西大学へ!大学へ進学後は勉強一筋では無く、体育会ソフトボール部に所属し、授業より部活優先。雨が降れば先輩に引きずられ麻雀店に… まあ、体力は付きましたので、瓦寅入社後の仕事には役立ったようです。 その後は、仕事・結婚・子育て、に追われ、その後、家内を亡くし、二人の子供と兼業主婦、現在は長男と二人暮らし。 仕事の内容は、入社当初は職人さんと現場に入り、瓦葺き工事の経験を積み、職長として管理も行う様になりました。後は新築住宅から始まり、ゼネコンの箱物の現場管理(バブル期でして、ゴルフ場クラブハウスや公共建物、マンションなどにも各種の瓦が乗せられていました)。その後、お寺や神社、文化財建物の営業から調査、積算、現場管理を任せられる事になりました。現在は退職に向けた準備中の相談役です。

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