渡邊智仁
『住宅における雨樋のもつ役割と注意が必要な雨樋トラブルおよび対処法』
雨樋は設置してから年月が経過すると、トラブルが発生することがあります。
本記事では、雨樋に関連して発生するトラブルやメンテナンスについてご紹介します。
定期的なメンテナンスによってトラブルを最小限に抑えることもできるため、ぜひ参考にしてください。
雨樋は住宅の排水機能
そもそも雨樋がもつ役割をご存知でしょうか。
近年は雨樋を設置しない方が外観がモダンである等の理由により雨樋を設置しない住宅もあるものの、大半の住宅では雨樋を設置しています。
それは雨樋が「雨水の排水」という重要な役割を持っているためです。
雨樋のもつ役割
外壁や基礎の劣化を抑える
雨樋は雨水の排水経路となり、外壁や基礎を雨水等による劣化から守る役割を持っています。
通常屋根に降った雨水は、軒先から雨樋を通って地面に落下します。
雨樋が設置されていない場合は、雨水は軒先からそのまま地面に落下するため地面に水溜まりを作り跳ねた泥などで建物の外壁や基礎を汚してしまいます。
外壁や基礎が湿った状態が長く続くと、コケやカビが生えやすくなります。
また最悪の場合、高温多湿を好むシロアリの餌食にもなる可能性もあります。
シロアリが発生すると土台となる木材の腐食リスクもあり、被害や対処にかかる労力は格段に膨れ上がるため注意が必要です。
外壁などの美観を維持する
雨樋は外壁が雨水で汚れることを最小限に抑える役割を持っています。
雨水は空気中の埃を吸うため汚れているということは有名ですが、屋根の上に落下した雨水はさらに屋根上の土や埃などの汚れもからめとりながら流れていきます。
雨樋が排水経路となっていることで屋根から雨水が外壁を伝って流れることを防いでいるのです。
雨漏りトラブルのリスクを抑える
住宅は経年とともに劣化していきます。
その結果、外壁や外壁のコーキング部分にひび割れができてしまうことがあります。
雨樋を設置しておらず雨水が外壁を伝って流れていた場合、このひび割れ部分から雨水が内部に侵入するリスクが高まるため、最悪の場合雨漏りに発展する恐れもあります。
雨樋を設置しない場合の対策
雨樋を設置しない場合は雨水が落ちる部分には水捌けの良い砂利やコンクリートを敷き、雨水や泥の飛び跳ねを防止することをおすすめします。
それだけでも外壁に雨水がかかるリスクを多少抑えることができるはずです。
雨樋に起こるトラブル
詰まりによる水漏れ
雨樋に起こるトラブルの代表事例が、詰まりによる水漏れです。
雨樋は排水経路であるため、詰まってしまうと正しく排水を行うことができません。
ではその詰まりの原因はというと、落ち葉や鳥の巣などであることが多いです。
特に山林の近くにお住まいの方は落ち葉が溜まりやすく、野鳥がいるエリアでは雨樋に巣をつくられてしまうこともあります。
雨樋が詰まってしまった場合はもちろんのこと、詰まらないように定期的な掃除を行うことをおすすめします。
ひび割れや変形などによる水漏れ
雨樋にひび割れや変形などが起こると当然そこから水漏れが発生してしまいます。
原因は経年劣化や大型台風などの自然災害であることが多いです。
雨樋の寿命は20～30年ほどと言われています。
設置から年月が経過すると徐々に劣化していき、自然災害のタイミングで破損してしまうケースも少なくありません。
ひび割れや変形など破損が起きてしまった場合、程度によっては部分的な補修もしくは交換で対処できる場合もあります。
専門業者に依頼して状態を確認してもらいましょう。
いずれのトラブルにも共通すること
詰まりや破損によって雨樋から水漏れが発生した場合、溢れた雨水は外壁や基礎にあたり上述のような「外壁の汚れ・劣化」や「雨漏りリスクを上げる」といった二次被害を生み出します。
またそれとは別に近隣トラブルに発展する可能性もあります。
溢れた雨水が隣家の敷地内に流れ込む、もしくは隣家の住宅にかかるといったことが起こるためです。
そのため隣の家と距離が近い住宅では特に注意が必要です。
雨樋トラブル発生時の対処
簡単な補修であればセルフでもできるのでは？と思われる方もいると思います。
しかし高所作業につき危険も伴うことや、処置を誤るとトラブルが悪化する可能性もあるためあまりおすすめはしません。
雨樋から水漏れが発生したからといって即座に大きなトラブルに発展するとは限らないため、落ち着いて専門業者に相談しましょう。
修繕の寅さんでは5,000円～/mで補修・交換工事を承っています。
まとめ
近年では雨樋を設置しない住宅も見かけるようになりました。
しかし雨樋は雨水の排水という重要な役割を持っているため、やはり設置をおすすめします。
万が一トラブルが発生した際も費用・工期ともに手軽なもので済むケースも多いです。
雨樋の掃除、補修、交換なんでもお気軽にご相談ください。
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