屋根屋さんはその昔【葺師】と呼ばれていた理由と思い

建設業には様々な職種があります。

「大工さん」ってよく言いますよね。大工さんって家を建ててる人のことをいうと思われていますが、厳密には木工事を主とする職人さんのことなんです。

じゃあ、屋根工事業はなんて呼ばれるか。屋根屋さんってよく言われます。でもね、昔は違う呼び名で呼ばれていたんですよ。

瓦を葺くプロならではの呼び名

葺師(ふきし)

昔は「葺師」って呼ばれていました。瓦を葺くから葺師。なんかかっこいいですよね。
その時代は瓦ぐらいしか屋根に施工する材が無かったのですが、新しい素材の屋根材が増えてきて次第と屋根屋さんに変わっていきました。もともと瓦のみ施工していた会社は今でも瓦のプロであるし、なんか屋根屋さんって呼ばれることが寂しく思っています。

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ちょっと恥ずかしそうな葺師達

なぜ瓦を葺くっていうのか

屋根に瓦が一般的に使用されるようになったのは江戸時代。それまでは瓦は高級品であり、城や寺ぐらいにしか使用されていませんでした。じゃあ何が使われていたかっていうと植物です。縄文時代には茅を用いた住居だけだったといわれています。伊勢神宮がいまも茅葺きを継承し続けていますね。その他、スギ、ヒノキ、サワラ、アワ、ヒバなどを薄板にしていました。今でもお寺の茶店などでたまに見かけることがあります。

だから「葺」の部首はくさかんむりなんですね。そして口、耳は集に通じる意味を持ち、「草を寄せ集める」から「葺く」となったのです。

図1

まとめ

この「葺師」って呼び名はそこに敬意が表されていたのかなって思います。要するにその道のプロであり、極めた者っていう「師」が入っているから。

瓦を葺く師

ずーと昔から言われていた「葺師」とまた呼ばれるよう、日本の伝統建材である瓦が増えるよう、活動をしていきたいと思います。

 

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渡邊智仁

渡邊智仁

代表取締役社長瓦寅工業㈱ 修繕の寅さん
私は昭和56年生まれの酉年で大阪生野の創業100年老舗瓦屋に生まれ育ちました。ずっと大阪にいる生粋の大阪人です。
関西大学卒業後は、瓦ではなくSIに興味を持ち㈱大塚商会のシステム販売営業マンとして7年間頑張りました。が、そろそろ親孝行をしようと思い始め、30歳を契機に瓦業界に飛び込みました。血筋のせいかすぐに瓦業界にも馴染み、営業と現場管理を経験し、今は経営に携わっています。
100年間、まじめにコツコツと建築に携わってきた【経験・知識・実績】で皆様方の大事な家を守っていきたいと思います。
≪保有資格≫1級かわらぶき技能士・瓦屋根工事技士・瓦屋根診断技士・遮熱施工管理士・一般建築物石綿含有建材調査者

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