こんにちは。悪徳屋根業者は許さない! 「伝統を守る老舗瓦屋4代目」の渡邊です。
ここ数回は屋根のこと話していなかったので、本日は屋根には必ず必要な知識を伝えます。珍しくまじめ情報ですよ!
屋根に関わる大事な用語「勾配」
「勾配」って建設業に携わっている方ぐらいしか使わない用語ではないでしょうか。読み方は「こうばい」です。
「勾配」とは「傾斜」のことです。屋根には必ず勾配があります。
なぜなら雨水を効率良く外に流し出す必要があるから。
屋上になっているお宅では、水平だと思われがちですが、屋上でも降った雨が排水口へ流れるように若干の勾配がついています。
勾配の表し方
屋根には様々な角度で勾配がついています。
どれ程の傾斜なのかを建設業では角度で表さずに勾配で表します。
図面表記では一般的にこのようになります。
①尺貫法表示
②分数表示
③記号表示
下の図面の場合は水平に10いって上に5いった勾配ってことです。角度でいうと約26,3°です。イメージしにくい…
平然と歩けないぐらいの傾斜です。やっぱりイメージしにくいか…
屋根材によって必要な勾配がある
勾配がきつい程、雨は流れやすい
屋根材の形状によって必要な勾配が決まっています。
瓦は1枚のサイズが小さく、厚みがあるので、瓦同士の重なりがたくさんできます。強風を伴う雨の時は、この重なりから雨水が浸入する可能性がある為に一般的な瓦は4寸以上の勾配屋根から施工可となっています。但し、メーカーによっては瓦の形状を変え、ゆるい勾配(3寸程度)でも施工可能な瓦を近年販売されています。
カラーベストは3寸勾配以上(条件付きで2,5寸も対応可)
縦葺き金属屋根材については1寸程度でも施工できます。
雨漏れ調査に行くとたまにこの最低屋根勾配を無視して施工され、雨漏れしている屋根に遭遇します。屋根材カタログに最低勾配が書かれていますので、必ず確認しましょう。
条件を満たしていない屋根材をすすめる工事店はやばい工事店です。
ちょっと予備知識
屋根工事の見積を見ると屋根面積が2階床面積に比べて大きいはずです。それには理由があります。
①雨水を効率良く建物外に吐き出す為に建物より張り出しているから
②勾配があると図面に表される水平寸法より屋根面の寸法の方が長くなるから
まとめ
勾配のこと、
勾配によって選ぶ屋根材が変わること、
2階床面積よりも屋根面積は大きくなること。
を、知っておくだけでも悪徳屋根業者と戦う武器になると思います。
最低限必要な知識を持つことが身を守ることに繋がります(^^)/
そんな情報をこれからも発信したいと思います。
次回は「勾配はきつい方がいいのか、ゆるい方がいいのか」そんな記事をアップしますね。

渡邊智仁
関西大学卒業後は、瓦ではなくSIに興味を持ち㈱大塚商会のシステム販売営業マンとして7年間頑張りました。が、そろそろ親孝行をしようと思い始め、30歳を契機に瓦業界に飛び込みました。血筋のせいかすぐに瓦業界にも馴染み、営業と現場管理を経験し、今は経営に携わっています。
100年間、まじめにコツコツと建築に携わってきた【経験・知識・実績】で皆様方の大事な家を守っていきたいと思います。
≪保有資格≫1級かわらぶき技能士・瓦屋根工事技士・瓦屋根診断技士・遮熱施工管理士・一般建築物石綿含有建材調査者

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